日産T31系エクストレイル(DNT31)も年数が経過し、足回りのヘタリが気になっているオーナーの方も多いのではないでしょうか?「乗り心地をシャキッとさせたいけれど、お店に頼むと工賃が高い…」それなら、DIYでのショックアブソーバー交換に挑戦してみませんか?
今回は、純正形状でありながら高品質・高耐久で大人気の「TEIN EnduraPro(テイン エンデュラプロ)」を使い、既存のスプリング(純正バネ)を流用してフロントショックをDIY交換する手順を徹底解説します!

👆今回使った EnduraPro

👆更に高性能な減衰力調整タイプ EnduraProPLus
T31特有の「アッパーマウントのネジが見えない問題」の解決策から、足回りDIYで絶対に欠かせない「1G締め」のやり方まで、実際の作業の流れに沿って詳しくご紹介します。
1. DNT31のショック交換に必要な工具と事前準備
足回りの作業は安全第一です。しっかりとした工具を準備しましょう。
必要工具・油脂類
・油圧ジャッキ & ウマ(リジットラック)2脚 ・スプリングコンプレッサー(2本セットのもの) ・トルクレンチ ・ソケットレンチ・メガネレンチ(13mm、18mmなど) ・6mm六角レンチ(スタビリンクの回り止め用) ・マイナスドライバーまたはクリップクランプツール(プラリベット外し用) ・マスキングテープ ・パーツクリーナー・潤滑剤(556等)








事前に用意した新品パーツ
ショックをバラす際は、以下の消耗品パーツも新品に同時交換するのがリフレッシュの鉄則です。 ・アッパーマウント ・スラストベアリング ・スプリングシート ・ダストブーツ(破れや劣化がある場合は要用意)

2. フロントショック交換の手順(取り外し編)
それでは、フロントの作業を開始します。T31エクストレイルの場合アッパーマウント固定ナットが1つかくれてしまっていますそこで下の作業が必要です。
ステップ1:ワイパーとカウルトップの取り外し
普通にボンネットを開けても、ストラット上部のボルト3本のうち「奥の1本」がカウルに隠れて見えません。まずはこれらを取り外します。
- ワイパーの位置合わせ: ワイパーを外す前に、元の位置が分からなくならないよう、フロントガラスのワイパーゴムの位置にマスキングテープを貼って目印をつけます。
- ワイパーの取り外し: ナットを緩めてワイパーアームを外します。
- カウルトップの取り外し: カウルを固定しているプラリベット(6本)をクリップ外し等で丁寧に抜きます。
- ウォッシャーホースの処理: ウォッシャーホースは完全に外さなくても、カウルごと手前や横にずらすだけで作業スペースが確保できるのでOKです。これで、隠れていた上側の3本目のボルトが見えるようになります。


カバーを外しナットを緩める14㎜


プラスティックリベット 内装外しやマイナスドライバーなどでコジル


この様にずらすだけでOK
ステップ2:ジャッキアップと安全対策
- 車体をジャッキアップし、必ず左右にウマ(リジットラック)をかけます。
- タイヤを外し、万が一のジャッキ下落に備えてフレームの下に置いておきます(事故防止のための超重要ポイントです)。

ステップ3:ストラット上部を「緩めるだけ」
上側の3本目のボルトが見えたら、まずは13mmのボルト3本を「緩めるだけ」にしておきます。ここではまだ完全に外してはいけません。

ようやくお目見えのボルト
ステップ4:周辺配線・スタビリンク・ナックルの切り離し
- 足回りは錆や汚れで各部が固着している場合があります 先ず取り外すボルトなどを潤滑剤で滑りを良くしておきます。
- 配線の取り外し: ストラット本体にクリップ等で固定されているブレーキホースやABS配線を傷つけないよう、すべて外してフリーにします。(緑矢印)
- スタビリンクの取り外し: スタビリンク上側のボルトを緩めます。ボルトが共回りしてしまうので、中央の穴に6mmの六角レンチを差し込んで回り止めをしながら、18mmのレンチで緩めます。(オレンジ矢印一番上)
- ナックルボルトの取り外し: ナックル(ハブ側)とショックを固定している下側の大きな18mmのボルト・ナット2本を緩めて抜きます。(オレンジ矢印下2本)

緑矢印がブレーキホースと配線 オレンジ矢印がボルトとナット(各18㎜)

👆面倒な回り止めにはこのインパクトがあれば解決 DIYの時短にもいつでも活躍間違いなし!👆
ステップ5:ショックの引き抜き
ボルト類がすべて外れたら、ステップ3で緩めておいた上側の13mmのボルト3本を完全に外します。ナックルがガクンと落ちないように手で支えながら、ショックアブソーバー本体を車体から引き抜きます。

👆外した状態 スプリングとアッパマウントの間の泥だらけの部品スラストベアリングが最も劣化が激しくゴリゴリ ここから異音がしていた様です
3. ショックの分解とTEINエンデュラプロの組み立て
ここからは外したショックアブソーバーを分解し、新しいTEIN EnduraProへ組み替える作業です。
スプリングの圧縮と分解
- 取り外したショックにスプリングコンプレッサーを2本、左右均等になるようにセットします。
- ラチェット等で左右交互に少しずつ締め込んでいき、バネが縮んでアッパーマウントとの間に「遊び(ガタ)」ができるまで縮めます。
- バネにしっかり遊びができたことを確認したら、ストラットトップの18mmナット(オレンジの矢印部分)を緩めて外します。これでショックがバラバラになります。

TEIN EnduraProへの組み込み
新品のTEIN EnduraProを用意し、既存の純正スプリングを流用して逆の手順で組み上げていきます。この際、用意しておいた新品のアッパーマウント、ダストブーツ、スラストベアリング、スプリングシート、バンプラバーを組み合わせます。

👆今回新品を用意しましたが劣化が無いのでこの2点は使い回します

👆この写真の3点は劣化が酷く使い回しはできませんでした 外したショックも戻りが弱く劣化が激しい10万㎞以上も使っていたら仕方ありません
トップナットを規定トルクで締め付けたら、スプリングコンプレッサーをゆっくり均等に緩めて外します。

組上がったTEIN 製ショック
4. フロントショック交換の手順(取り付け・1G締め編)
ピカピカの緑色のTEINショックが組み上がったら、車体に戻していきます。ここからも大事なコツがあります。
ステップ1:ショックの仮乗せとアッパーマウントの向き
- 出来上がったショックをナックルに仮乗せし、下からジャッキで軽く持ち上げながら、車体上部の3つの穴に位置を合わせます。
- 【超重要】 アッパーマウントにある「矢印(刻印)」が、車体の反対側(外側・タイヤ側)を向くように向きを注意して調整してください。
- 位置が合ったら、上側の13mmボルト3本をひとまず手で仮止めします。
ステップ2:下回りの仮止めと配線戻し
- ナックル固定用の下側ボルト・ナット2本を差し込み、ここではナットを軽く締めるだけの「仮止め」にしておきます(後で1G締め直しをするため)。
- 外していたブレーキホースやABS配線を元の位置に固定します。

ステップ3:もう片側も同じ状態にする
上側の13mmボルト3本を、この段階でトルクレンチを使って規定トルクで本締めします。 片側がこの「下側が仮締め・上側が本締め」の状態まで来たら、一旦作業をストップし、反対(逆側)も全く同じ状態まで作業を進めます。
なぜ一本ずつ本締め(完了)させないのか?
左右とも下側を仮締めの状態にするのには、非常に重要な理由があります。それが「1G(ワンジー)締め」です。
車が浮いた状態(0G)で足回りのブッシュ(ゴム部品)を本締めしてしまうと、車を地面に降ろしたとき(1G)に、ゴムがグニャリと捻じれた状態で固定されてしまいます。これが乗り心地の悪化や、ブッシュの早期破断(寿命を縮める原因)に繋がります。
簡易的1G締めのやり方
- 左右ともショックが仮止めできたら、ブレーキローターやナックルの下にウマ(またはジャッキ)を噛ませます。
- そのままウマに荷重がかかるまでゆっくりジャッキを操作し、「車が地面に接地しているのと同じ状態(1G)」を擬似的に作ります。
- この荷重がかかった状態のまま、上側のスタビリンク、下側の18mmボルト・ナット2本をトルクレンチを使って規定トルクでしっかりと本締めします。


これで、ゴムブッシュに無駄なストレスがかからず、TEINエンデュラプロ本来のしなやかな乗り心地とパーツの延命を確保することができます。
5. 仕上げと復元
全てのボルトの締め忘れがないか、もう一度ダブルチェックを行います。
- 締め付け確認後、各部のジャッキを払い、タイヤを取り付けて車両を完全に地面に降ろします。
- 取り外していたワイパーカウルを取り付け、6本のプラリベットを固定します。
- 最初にフロントガラスに貼ったマスキングテープの目印にワイパーゴムを合わせながら、ワイパーアームを固定します。
これでフロント側のショックアブソーバー交換がすべて終了です!
まとめ:DIYでの達成感とTEINの乗り心地は最高!
フロントのワイパーカウル外しや1G締めなど、少し手間の かかるポイントはありますが、手順を踏めばDIYでも十分に交換可能です。
交換後に試乗すると、ハンドルの切り始めにあったふわふわ感と荒れた路面でのカタカタコトコトいう異音が消え TEIN EnduraProの「ハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S.)」の恩恵もあり、段差での突き上げがマイルドになり、新車時以上のしなやかな乗り心地が蘇っていることに感動するはずです。
足回りのリフレッシュを検討しているDNT31オーナーの方は、ぜひこの記事を参考に安全第一でチャレンジしてみてください!
