BMW 2シリーズカブリオレ(F23)の足回りをリフレッシュして、欧州車らしいシャキッとした乗り心地を取り戻したいと考えているオーナーの方も多いのではないでしょうか?「乗り心地を向上させたいけれど、外車はお店に頼むと工賃が高い…」それなら、DIYでのショックアブソーバー交換に挑戦してみませんか?
今回は、高品質・高耐久で大人気の減衰力調整式ショック「TEIN EnduraPro PLUS(テイン エンデュラプロプラス)」を使い、純正スプリング(バネ)を流用してフロントショックをDIY交換する手順を徹底解説します!
リアショックを交換してから少し時間が空いてしまいましたが、いよいよフロントの交換作業です。欧州車(BMW)特有の差し込み型ストラットの抜き方や、作業時に絶対に気をつけたい「ヘッドライト光軸センサー破損対策」など、実際の作業の流れに沿って詳しくご紹介します。
目次
- F23のショック交換に必要な工具と事前準備
- 必要工具・特殊工具
- 使用したパーツ
- フロントショック交換の手順(取り外し編)
- ステップ1:適切な養生
- ステップ2:ストラット上部(アッパーマウント周辺)の緩め
- ステップ3:配線類・光軸センサーの切り離し(最重要!)
- ステップ4:スタビリンク・ナックル結合部の取り外し
- ステップ5:ショックの引き抜きとナックル割りのコツ
- ショックの分解とTEINエンデュラプロプラスの組み立て
- フロントショックの取り付けと1G締め
- まとめ:DIYでの達成感とTEINの乗り心地は最高!
ディーラーで純正交換すると総額いくら?DIYとの差額を比較
BMWディーラーや輸入車専門ショップにF23のショックアブソーバー交換を依頼した場合、
純正部品代+工賃の目安は以下のとおりです。
・純正ショック(フロント2本・リア2本):約18〜25万円
・工賃(脱着・アライメント調整込み):約5〜8万円
・合計目安:約23〜33万円
※輸入車専門工場の工賃参考:29,700円〜(マーキーズ東京調べ)
今回私がDIYで行った場合の費用はTEINエンデュラプロプラス部品代+社外部品のみで約11万円。
ディーラー交換との差額は最大で約22万円。
工具を持っていれば、時間さえかければ確実に元が取れる作業です。
1. F23のショック交換に必要な工具と事前準備
足回りの作業は安全第一です。BMW(欧州車)は国産車とボルトサイズや構造が異なるため、適切な工具を準備しましょう。
必要工具・油脂類
- 油圧ジャッキ & ウマ(リジットラック)
- スプリングコンプレッサー(2本セットのもの)
- トルクレンチ
- ソケットレンチ・メガネレンチ(13mm、16mm、18mmなど)
- トルクスレンチ(タワーバー取り外し用)
- インパクトドライバー(ショックの頭ピストントップを緩める際、各回り止めつきボルトを緩める時に強く推奨)
- ナックル広げ用特殊工具(ストラットスプレッダーソケット)(※無い場合はタガネやバールでも代用可能ですが、あると劇的に楽になります)
- マスキングテープ・養生テープ
- パーツクリーナー・潤滑剤(5-56や浸透潤滑剤)

👆フロアジャッキ

👆リジットラック

👆スプリングコンプレッサー

👆トルクレンチ

👆ソケットレンチ

👆トルクスレンチ

👆インパクトドライバー

👆特殊工具ストラットスプレッダーソケット

👆マスキングテープ

👆浸透潤滑剤
使用パーツ
- TEIN EnduraPro PLUS
- 純正スプリング(流用)
- ダストカバー・バンプラバー・ダストブーツ(状態が良ければ流用可能ですが、新品があると安心です)

👆今回使用した減衰調整式のエンデュラプロプラス
2. フロントショック交換の手順(取り外し編)
ステップ1:適切な養生
フロントまわりの作業はフェンダーやエンジンルーム周辺を傷つけやすいため、まずは作業エリアを適当に養生テープやマスキングテープでしっかりと保護します。

ステップ2:ストラット上部(アッパーマウント周辺)の緩め
- ボンネットを開け、ストラット上のカバーを剥ぎます。
- 前期Mスポーツの場合、13mmのボルト×5本と、タワーバーを固定しているトルクスボルトが見えます。
- 【ポイント】 車両が接地している(またはジャッキアップ直後の)この時点で、アッパーマウントの13mmボルトと、ショックの頭のナット(18mm)をすべて緩めておきます(完全に外さないこと)。ショックの頭は手工具だと共回りして緩まないことが多いため、インパクトレンチがあると非常にスムーズです。

👆とりあえず緩めるだけ

👆あらゆるDIY作業の必需品インパクトドライバーが有れば出来ることが増えますよ
ステップ3:配線類・光軸センサーの切り離し(最重要!)
下回りの作業に移る前に、ショックに繋がっているパーツを解放します。
- ABSセンサーやブレーキパッドセンサー等の配線コード類をブラケットから解放します。
- 固定ボックス内も開放し、コード類にしっかりと弛み(タルミ)を作っておきます。突っ張ったまま作業すると断線する恐れがあります。
- 【要注意!最大の罠】ヘッドライトの光軸センサー(レベライザーアーム)の取り外し センサーのアーム(ヒンジ部分)を横着してマイナスドライバーなどでこじって外そうとすると、簡単にポキッと折れて破損します。 中間の関節部分にあるナットをしっかりと工具で緩めて外すのが、破損を防ぐ絶対のコツです。

👆1・配線コード類をブラケットから解放

👆2・ドライバーで指しているBOXの中にも配線が固定されています

👆3・助手席側は【要注意!最大の罠】ヘッドライトの光軸センサーがあります 中間部分に薄いナットが有りここを回して外します コジルと折れます!
ステップ4:ナックル結合部の取り外し
- ショック下部をナックルに固定している裏側のボルト(18mm)とナット(16mm)を取り外します。
ステップ5:ショックの引き抜きとナックル割りのコツ
BMWのフロントショックは、ナックル(差し込み部)にガッチリと挟み込まれています。
- 裏側の隙間を広げるための特殊工具(ストラットスプレッダー)を差し込んで隙間を広げます。特殊工具が無い場合は、タガネを叩き込んだり、バールでこじったりして隙間を作ります。
- ナックルを足で下に踏み込むとすんなりショックショックが抜けます。固着している場合は潤滑剤を吹いて慎重に下にずらしていきます。本来はアッパーマウントがまだ固定されているのでショックは中刷りになりその状態でアッパーマウントのボルトを外すとすんなり外せます。


👆ボルトを抜き 特殊工具ストラットスプレッダーを ナックルの裏の隙間に差し込み90度回して隙間を広げる

👆失敗例 裏側をしっかり開放した場合ナックルを下に足で下げるだけですんなり抜けます 画像は失敗してなかなか抜けずタイヤハウス内でスプリングを縮めバラした図

👆失敗しても挽回できます焦らずやるのも大切です 右側はすんなり抜けました
3. ショックの分解とTEINエンデュラプロプラスの組み立て
- 車両から外れたストラットにスプリングコンプレッサーを掛け、バネが遊ぶまで均等に縮めていきます。
- ピストントップのナットを外して、純正ショック一式を分解します。純正のダストカバーやアッパーマウントにちぎれやヘタリがないかチェックしましょう。
- 新しい TEIN EnduraPro PLUS に純正スプリング、ダストカバー等を組み込みます。
- 減衰力調整ダイヤルが正常に動くか、この段階で合わせておくと後からの調整がスムーズです。

👆1・スプリングコンプレッサーの使い方 左右均等に締め付けバネを縮ませピストントップのナットを緩めバラす この時インパクトドライバーが有ると大変便利です (別車輛の画像)

スプリングだけを使いまわしアッパーマウント・ダストブーツ・スプリングシートを新品に交換し逆の手順で組み上げます。

👆組み上がった状態(別車輛)
4. フロントショックの取り付け
- 組み立てたTEINのショックをナックルに仮乗せし、ナックルごとゆっくりジャッキアップしアッパーマウントのボルトをエンジンルーム側から仮止めします。
- ショック下部をナックルに確実に差し込み、裏側の18mmボルト・16mmナットで仮止め
- 外していたABSセンサーなどの配線類を元のブラケットに戻し、外したヘッドライト光軸センサーを元通りに組み立てます。
- 反対側(もう片側)も全く同じ手順で仮止め状態まで進めます。

先ず組み上がったショックをナックルに仮止めし 👆注)ショックの裏に位置合わせの出っ張りが有りますきっちり合わせたら特殊工具を抜いて固定用のボルトナットを仮止めして逆側の作業へ

アッパーマウントは規定トルクにて固定
👇おすすめ記事👇

5.リアショック取り付けと1G締め

- 1.アームについているプラスティックカバーを外す10mmナット×4個
- 2.ショック下の18㎜のナットを緩め ボルト(こっちも18㎜頭)を抜く
- 3.アッパーマウントのトルクス3本を抜く 抜いたショックはまるで反発力が無い 完全に死んでるって事? おかげでスンナリ縮むので抜くのも楽
- 4.新旧比較 TEINはリアはアッパーマウントとバンプラバー、ダストブーツがセット
- 5.外した逆に取り付けて完成

1.カバーを外す

2.下側ボルトナットを外す

3.4.外したショックは縮んだまま戻らない これではショック吸収できない

5.元に戻して下側のボルトナットは1G締め詳しくは👇で (TEINは元からダストブーツ.バンプラバー.アッパーマウントが付いてて良心的)

【DIYの肝】なぜ一本ずつ本締めを完了させないのか?
足回りのブッシュやマウント類は、ジャッキアップして足が伸び切った状態で本締めしてしまうと、車を地面に降ろした(1Gがかかった)ときにブッシュが異常にねじれてしまい、乗り心地の悪化やブッシュの早期寿命を招きます。
左右とも仮止め状態にしたら、ジャッキ等を使って足回りに擬似的な1G(車両重量がかかった状態の高さ)を再現するか、一度ホイールをつけてスロープ等に降ろした状態で、全てのボルト(ナックル部、スタビリンクなど)を規定トルクで本締め(1G締め)を行います。


別車輛作業時
この1G締めの作業を前後左右行うために仮止め状態としていました 充分安全に配慮して作業をしてください 自信の無い場合は業者さんへ依頼しましょう!
5. まとめ:DIYでの達成感とTEINの乗り心地は最高!
外車の足回りDIYは国産車に比べて「ボルトが固い」「差し込みが抜けない」「ミリ数の違う工具が必要」といったハードルがありますが、構造を理解して一つずつ丁寧に作業すれば、個人でも十分に交換可能です。

工具で挟んでいるピストントップを回すと硬さ調整できます

リアの調整はここアッパーマウントの中 取り付け後でもゴムキャップを外すと調整できます

特に光軸センサーの破損など、ネットのトラブル事例(失敗例)を事前に頭に入れておくだけで、余計な出費や時間を防ぐことができます。
苦労して取り付けた TEIN EnduraPro PLUS は、不快な突き上げが消えつつも、欧州車らしいしなやかでコシのある最高の乗り心地を提供してくれます。減衰力調整付きなので、好みの硬さにセッティングできるのもDIY派には堪らないポイントです。ぜひ皆さんも安全に気をつけて挑戦してみてください!

